異議申立

次のようなお悩みはありませんか。

  • 自賠責で認定された後遺障害等級が適切かどうかわからない
  • 自賠責で認定された後遺障害等級に不満がある
  • 痛みがあるのに後遺障害に非該当であると判断されて納得ができない

異議申立とは

交通事故により受傷し、後遺障害が残った場合、自賠責調査事務所の損害保険料率算出機構(以下単に「自賠責」といいます。)により、後遺障害等級の認定を受けることになります。
かかる後遺障害等級認定の結果は、中立的な第三者機関である自賠責の判断結果ですので一般に信頼性は高いものですが、この後遺障害等級認定の結果は絶対に覆らないというわけではありません。
自賠責で認定された後遺障害等級に不満がある場合には、自賠責に対して後遺障害等級の再審査を求めることができ、これを「異議申立」といいます。

異議申立の種類・方法

自賠責の認定した後遺障害等級に関して異議申立を行う方法として、主に以下の3種類の方法があります。

自賠責に対する異議申立

異議申立を行う際に、通常行われる手続きになります。
自賠責の認定結果に納得がいかない場合、自賠責に対して認定結果を再度検討するように異議申立をすることができます。
この異議申立は、何度でもすることができ、被害者が不利になる変更がされることはありません。また、審査は書面でなされますので被害者の方にご証言いただく必要はございません。

自賠責保険・共済紛争処理機構に対する紛争処理の申請

自賠責に対する異議申立のほかに、自賠責保険・共済紛争処理機構という自賠責とは異なる第三者機関に対して紛争処理申請をすることもできます。自賠責に対する異議申立においても中立的な判断がなされること前提となっていますが、紛争処理の申請においては、自賠責とは全く別の第三者機関が判断する点でより中立性が担保されています。
被害者が不利になる変更がされることがないことや書面審査がなされる点は自賠責に対する異議申立と同様ですが、紛争処理の申請は一度しかできない点に特徴があります。

訴訟

上記の異議申立をしても納得する認定結果が得られない場合や消滅時効が迫っている場合には、訴訟を通じて後遺障害等級を争うことも考えられます。
裁判所は、自賠責の後遺障害の認定結果に拘束されず、自ら後遺障害について判断を下すことができます。
但し、訴訟では、被害者に有利な判断がされることもあれば不利な判断をされることもあり、またどのような痛みが残存しているのか場合によっては裁判所でご証言いただく必要がある事案も存在します。

異議申立が必要な理由

等級認定サポートにおいて述べたとおり、後遺障害等級が何級になるかによって、後遺障害慰謝料や逸失利益の金額に大きな差が生じてきます。
例えば、後遺障害等級14級の方と12級の方とでは後遺障害慰謝料額だけをみても180万円の差があります。これに加えて逸失利益においても、労働能力喪失率が約3倍の開きがありますので逸失利益が3倍近く増額する場合もあります。
また、後遺障害の中には、高次脳機能障害などの見逃されがちな後遺障害もありますが、このような後遺障害を見落とすと最終的に数千万円単位で賠償額が異なることもあります。
このように、認定される後遺障害等級の結果によって賠償額が数百万円~数千万円単位で変わる可能性がありますので、適正な補償を受けるためには、適切な後遺障害等級の認定を受けることがとても重要です。

サービス内容

認定された後遺障害等級が適切かどうかチェックいたします。

自賠責で後遺障害等級が認定されたものの、後遺障害等級が適切かどうか判断できない方がほとんどではないでしょうか。
弁護士にご相談いただければ、これまで培った経験に基づき自賠責に提出した後遺障害診断書等の資料や治療経過、具体的な症状等をお伺いした上で、認定された後遺障害等級が適切かどうかのアドバイスをいたします。
その上で、後遺障害等級が適切でない可能性があれば異議申立を、適切である場合には損害賠償請求の進め方等をご説明いたします。

整形外科の顧問医などと連携の上、専門知識に基づいて異議申立をいたします。

当たり前のことではありますが、異議申立を行う際には単に「納得ができない」「痛みがあるはずなのにおかしい」と述べるのみならず具体的な判断の誤りを指摘出来なければなりません。
自賠責から後遺障害等級の認定を受ける際、なぜ非該当なのか、あるいはなぜ下位の等級なのかという認定の理由が開示されますので、当該理由を分析したうえでその間違いを指摘する必要があります。また、後遺障害等級認定時から時間が経過していることから認定時には存在しなかった新たな診断書やレントゲン写真など症状を裏付ける新たな証拠を提出することもあります。
いずれにしても後遺障害の有無、程度については法律的な領域よりも医学的な領域に近いため、異議申立において説得力のある主張をするためには、医学的な資料を提出することが効果的です。
別途医師に対する費用が発生いたしますが(弁護士費用特約にご加入されている場合同特約で賄える場合もございます。)、提携している整形外科の顧問医に対して診断書や症状経過をお伝えしたうえで、自賠責の判断の誤りについて詳細な意見書の作成を依頼することも可能です。
費用的な問題で医師の意見書を取得できない場合であってもこれまでの症状経過や後遺障害診断書の記載などを分析したうえで、弁護士において専門的知識に基づき意見書を作成したうえで自賠責の認定結果のどこに誤りがあるのか分かりやすく整理し、少しでも異議申立が認められるようサポート致します。

よくあるご質問

Q 異議申立を行った結果、判断が変わる可能性はどのくらいあるのですか

残念ながら公表されたデータベースによれば、異議申立によって認定が覆った事例は全体の10%未満とされています。しかしながら、かかる統計は専門的知識を有さないまま異議申立を行った場合も含めた確率ですので、弁護士にご依頼いただいた場合には覆る可能性は高まると考えております。

Q 異議申立を行うデメリットは何かありますか

訴訟で争う場合を別にすれば、後遺障害の異議申立を行ったとしても被害者に不利な変更はなされません。ただし、異議申立の結果が出るまで数か月かかることが多いため示談交渉が行えるまで時間を要することや上記のとおり必ずしも結果が覆るわけではないため結果として時間や労力だけ浪費してしまうこともあります。

Q 異議申立から結果が出るまでどのくらい時間がかかるのですか

一概にいうことはできませんが、大量な案件を処理している初回の後遺障害等級認定と異なりある程度時間をとって審査をしていると思われますので早くとも数か月かかることが多いです。

Q 異議申立を何度でもできるのであれば認められるまで行えばいいのではないですか

確かに、自賠責に対する異議申立は、何度でもすることができます。
しかし、何度もやれば認定が覆るというものではありません。認定を覆すに足りる材料もなく無闇に異議申立をしたとしても徒労に終わる可能性は高いです。
そのため、最初の異議申立のときに集めるべき資料をしっかり準備して申立てをすることが重要であり、最初の異議申立が認められなかった場合には、次は紛争処理の申請や訴訟提起など他の手段を検討する方が良いと考えます。

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この記事を書いた人

弁護士 西川雄介

平成23年弁護士登録:司法試験(口述試験)3位通過
平成23年から平成26年まで長島・大野・常松法律事務所にて勤務し、大手上場企業や国外企業などを依頼者として企業法務・予防法務に注力しました。
その後、個人ないし中小企業の支援を行うべく弁護士法人佐野総合へ転職し、近年は遺産相続・交通事故トラブルや中小企業からの顧問対応等の取扱いが増えております。
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