成年後見申立て
次のようなお悩みはありませんか。
- 交通事故で被害者本人が意識不明の重体となり示談を一向に進めることができない
- 保険会社から示談をするためには成年後見人をつける必要があると言われたが、家族が代わりに示談することはできないのだろうか
- 交通事故で高次脳機能障害となり、判断能力が著しく低下してしまった
- 交通事故で遷延性意識障害となり、意思表示できない状態になってしまった
交通事故で成年後見申立が必要となる場合
加害者と示談交渉や裁判を行うためには、被害者が示談の内容などについて十分に理解したうえで判断する必要があります。このような判断能力が不十分な当事者が行った法律行為は、法律上無効となる可能性や取消される可能性があります。
しかし、交通事故の被害者の中には、「高次脳機能障害」のように判断能力が著しく低下してしまう方や、「遷延性意識障害」のように意識不明の重体となってしまう方もいらっしゃいます。
このような場合に加害者に損害賠償請求をするためには、まず、家庭裁判所に被害者本人のために活動する「成年後見人」(判断能力の程度によって、成年後見人のほかに「保佐人」、「補助人」が選任される可能性がありますが、ここでは纏めて「成年後見人」と記載いたします。)を選任してもらった上で、この成年後見人に本人のための法律行為(加害者への損害賠償請求や弁護士への依頼等)をしてもらう必要があります。
サービス内容
成年後見等の申立のサポート
成年後見人を選任するためには家庭裁判所への申立てが必要です。
ご自身で申立てを検討されている方でも成年後見人選任申立書の記載方法や添付書類についてご不明な点が出てくると思います。そのような場合、書類のチェックやアドバイスをさせていただきます。
また、ご自身で成年後見人選任申立てを行うことが困難な場合には、同申立てについて弁護士に依頼をすることも可能です。この場合には、弁護士が皆様に代わって申立書の作成などを行い、成年後見人選任申立てを行います。
なお、いずれの場合であっても、ご家族の皆様のご負担を少しでも軽減するべく弁護士費用などは無料で対応させていただきますのでご安心ください。
成年後見人への就任(注:千葉県内限定)
家庭裁判所に成年後見人選任申立てを行う際に、成年後見人の候補者を立てることが可能です。
一般に成年後見人には、本人の親族、弁護士、司法書士などの専門家が選任される事案が多いですが、ご要望がございましたら当弁護士が成年後見人の候補者となることも可能です。候補者を記載されない場合には、家庭裁判所の職権で全く見ず知らずの弁護士などが成年後見人に就任される可能性がありますが、事前にご要望を頂ければこのような事態を回避することも可能です。
ただし、最終的に成年後見人となるためには家庭裁判所の選任が必要ですので、必ず当弁護士が成年後見人に就任できるわけではございませんのでご容赦ください。
成年後見等のよくあるご質問
Q 成年後見人を選任することのデメリットは何かありますか。
成年後見人に対して本人の財産から裁判所が決定した報酬が毎年支出されることになります。ただし、報酬請求を行うか否かは成年後見人の判断次第ですので、ご家族が成年後見人となった場合などには同報酬を請求しないことも可能です。
もっとも、成年後見人を選任しなければ加害者に対して損害賠償請求を行うことができませんので多少の報酬が発生したとしても成年後見人を選任されることをお勧めいたします。
Q 意思表示のできない本人の代わりに家族が示談をすることはできないのですか。また、示談ができないのであれば、本人の代わりに弁護士と契約はできないのですか。
残念ながらいずれもできません。
加害者に対して損害賠償請求を行うことができる者は、原則として被害者ご本人であり、ご家族の方がご本人に代わり示談交渉を行うことは出来ません。たとえ、示談が成立したとしても、後日ご本人の判断能力に問題があったことが発覚した場合には同示談が無効となる虞があります。
また、弁護士との契約手続きも示談交渉と同様に法律行為ですので、被害者ご本人の契約意思が確認できない場合には、ご家族の方からのご依頼といえども契約を行うことは出来かねます。
Q 家族が成年後見人になりたいのですが、申立書の「候補者」に家族を記載すれば必ず選任されますか。
成年後見人は、家庭裁判所が成年後見人に相応しいかどうか総合的に判断して決定しますので、必ずしもご家族の希望が通るわけではありません。
例えば、ご本人に多額の財産がある場合や親族間で財産管理や介護の方針等に争いがある場合などには、親族を成年後見人にしないという運用が一般的となっています。このような場合には、弁護士や司法書士などの専門家から成年後見人が選任されます。
Q 加害者との示談が終わったら、成年後見を終了することができるでしょうか。
残念ながら成年後見人は判断能力の無い者を保護するため、その者に代わって必要な契約の締結や適切な財産管理を行うための制度になります。
加害者との示談が終了したとしても、ご本人が生活をしていくためには今後種々の契約締結や財産管理が不可欠です。そのため、申立ての動機となった加害者との示談が終了した場合であっても、一度成年後見人が選任された以上、ご本人の精神上の障害が治るなど判断能力が回復しない限り、原則として終生にわたって継続されることになります。