打ち切り

次のようなお悩みはありませんか。

  • まだ痛みがあるのに保険会社から「打ち切り」と言われてしまった
  • 治療をいつまで続けるべきかわからない
  • 「症状固定」の意味が良く分からない
  • 「打ち切り」の後、通院することは一切できなくなるのか不安

症状固定・打ち切りとは

このページをご覧の方の中には、まだ痛みが残っているにもかかわらず保険会社から「症状固定」のため治療費の支払いを「打ち切る」と言われてしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

法律実務上、怪我が完治した場合のみならず、痛みが残っているもののこれ以上治療を続けても症状の改善が見込めない場合には、治療の必要性はないと判断されます。この治療を続けても症状の改善が見込めない状態を、「症状固定」といいます。

むち打ちを例にすれば、投薬やマッサージを受けると一時的に症状が緩和するものの、時間が経過するとまた元に戻ってしまい根本的な症状は改善されないというように、症状が一進一退を繰り返す状態のことです。

保険会社において、被害者が症状固定の状態に至ったと判断した時に、治療費の立替を中止することになります。このことを治療費の「打ち切り」といいます。
「症状固定」の時期は、治療費の金額のみならず入通院慰謝料や休業損害の金額にも影響がありますので「症状固定」の時期をいつにするのかは重要です。例えば、通院期間が半年以内の方が、症状固定時期が1ヶ月延びた場合、1ヶ月分の治療費が加算されるのみならず入通院慰謝料が10万円から15万円増額し、休業損害も1ヶ月分加算されます。

症状固定時期を不当に短く判断された場合、慰謝料や休業損害の金額が数十万円~百万円近く減額されてしまう虞がありますので、治療費の打ち切りを打診された方は早期に弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

症状固定時期の決め方

では、症状固定時期は誰がどのように決めるのでしょうか。

症状固定時期の判断は、原則として直接診察した医師の判断が尊重されます。
症状固定時期の判断は、医学的知見を踏まえ、直接被害者の治療、経過観察に当たり、当該被害者がどのような症状経過をたどってきたのかなどについて具体的に検討する必要があるからです。

そのため、保険会社から打ち切りを打診された場合には、まずは主治医に対して「もう治療は終了ですか。」「もう症状固定なのでしょうか。」と確認してみることをお勧めいたします。また、「治療をもう少し継続したほうが良い」との説明を受けた場合には、その旨をカルテなどに記載してもらうようにお願いしてみると良いでしょう。

とはいえ、主治医の見解と保険会社の見解、被害者本人の見解がそれぞれ異なる場合もあります。このような場合、保険会社と症状固定の時期について話し合うことになりますが、話合いではどうにもならない場合、最終的には裁判所で判断してもらうことになります。

いずれにしても、症状固定時期は保険会社が決定するものではありませんので、「打ち切り」と言われてしまっても諦める必要はありません。
適切な症状固定時期は、主治医の判断の下、症状の程度や治療経過、事故の衝撃の程度などを踏まえ判断されますが、その判断は容易ではありません。保険会社から治療費の打ち切りと言われたら、一度、弁護士に相談してみると良いと思われます。

治療費の支払いを打ち切られた場合の対処方法

では、保険会社から治療費の支払いを打ち切られてしまった場合、どうすれば良いでしょうか。大きく分けて、以下の3つの方法が考えられます。

自費で治療を継続する

上記のとおり、治療費の打ち切りはあくまでも保険会社の見解に基づくものであり、同見解が常に正しいとは限りません。

そのため、自費にはなりますが、被害者において納得のいくまで治療を継続し、保険会社と異なる症状固定時期を主張することが可能です。症状固定時期について被害者の主張が認められた場合には、保険会社に対して立て替えた治療費の支払いを後日請求することが可能になります。

もっとも、症状固定時期の最終的な判断権者は裁判所ですので、被害者側の主張もまた常に正しいとは限りません。
そのため、敗訴してしまうリスクや勝訴した場合であっても一度は治療費を支払わなければならないことを考慮して、自費で治療を継続する場合には、自己負担額を軽減させるために健康保険(労災保険が利用できる場合には労災保険)を利用して通院されることをお勧めいたします。

後遺障害の申請をする

症状固定時期について保険会社の主張と相違がない場合には治療は終了となります。

もっとも症状固定となってしまった方の中には、まだ頑固な痛みがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その場合には、かかる痛みが後遺障害に該当するのか否か判断することになります。後遺障害に該当する場合には、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益として高額な賠償金を獲得することが可能となります。
痛みが残っている場合に常に後遺障害が認められるものではありませんが、頑固な痛みが残っている場合には、治療の継続を交渉するよりも後遺障害の申請をした方が有利な場合があると考えます。
詳細は、等級認定サポートをご覧ください。

示談交渉に移る

症状固定時期に争いがなく、かつ後遺障害が認定される見込みがない場合には、保険会社と示談交渉を行うことになります。

後遺障害の見込みにもよりますが、後遺障害の認定を受けるためには通常1~2か月程度の時間を要し、その間示談交渉を行うことができません。
そのため、後遺障害が認定される見込みがない場合には、早期に示談交渉に移行し、当該時点で認められる適切な示談額を受領できるよう保険会社と交渉することになります。
詳細は、示談交渉をご覧ください。

サービス内容

打ち切り・症状固定時期に関する交渉

医師の所見や事故からの経過期間によっては弁護士が入っても打ち切り時期を延ばすことができない場合もありますが、実際に打ち切りをされる前であれば弁護士が保険会社と交渉し、治療費の打ち切りを1ヶ月程度延長してもらうことが可能な場合があります。

他方で、実際に打ち切られてしまった後や交渉によって打ち切り時期を延長することができなかった場合には、示談交渉の際に、適切な症状固定時期について改めて主張し、打ち切り後の治療費の支払いを求めます。
必要に応じてカルテなどの医療記録を取り付けたうえで保険会社に対して治療の必要性を具体的に主張し、適切な症状固定時期が認定されるようサポートいたします。

後遺障害の等級認定サポート

治療の状況からして、すでに症状の改善が期待できないような時期になっている場合には、治療の継続にこだわるよりも後遺障害として賠償を受けることを考えた方がいいことがあります。
後遺障害の認定を受けるに際しては、種々の書類の準備など一定の手続きが必要となります。また、後遺障害が認められるか否かで百万円単位で賠償金額が変わってくることになりますので、適切な後遺障害が認定されるよう専門的知識に基づきサポートいたします。
詳細は、等級認定サポートをご覧ください。

よくある質問

Q むち打ちの場合、症状固定ってどれくらいなの?

概ね3か月から6か月程度が一般的な治療期間と言われています。もちろん、個別事情によって症状固定時期が1年以上認められた事例も存在しますが、経験上半年程度が一つの目安になると考えております。

Q 弁護士に依頼をすれば、打ち切りを回避することはできますか。

前提としてご理解いただきたいことは、法律上、保険会社が被害者に対して治療費を支払わなければならない時期は、原則として治療が全て終了した時点です。治療を続けている間に保険会社が治療費を支払うことは保険会社のあくまでもサービスの一環であり、こちらが強制することができません。

そのため、残念ながら弁護士といえども打ち切りを完全に回避することはできず、実際には示談交渉の際に症状固定時期を争う事案の方が多いと思います。
ただし、1ヶ月程度であれば、これまでの治療経過や残存している症状などを主張することによって打ち切りの時期を遅らせることが可能な場合もございますので諦める必要はないでしょう。

Q 弁護士に依頼をすれば、症状固定時期は必ず延びますか。

打ち切りに際して、保険会社は事前に主治医に対して意見照会をしていることが多く、何らの医学的根拠なく症状固定時期を判断しているわけではありません。
そのため、弁護士に依頼をすれば症状固定時期が必ず延びるものではありません。とはいえ、実際に医療記録を取り寄せた結果、保険会社が主治医の意見を都合よく解釈していることが判明することも存在します。
症状固定時期を延ばせるか否かは具体的な事案によって異なりますので一概には言えませんが、症状固定時期についてお悩みの方は一度ご相談下さいませ。

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この記事を書いた人

弁護士 西川雄介

平成23年弁護士登録:司法試験(口述試験)3位通過
平成23年から平成26年まで長島・大野・常松法律事務所にて勤務し、大手上場企業や国外企業などを依頼者として企業法務・予防法務に注力しました。
その後、個人ないし中小企業の支援を行うべく弁護士法人佐野総合へ転職し、近年は遺産相続・交通事故トラブルや中小企業からの顧問対応等の取扱いが増えております。
少しでも依頼者の方が前向きになれるよう親身かつ丁寧な対応を心掛け日々尽力しております。

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営業時間内にお電話いただければ、弁護士が対応できる場合は、できるだけその場で対応させていただきます。

当日・土日祝日相談(面談) につきまして

保険会社から治療打ち切りの連絡がきたなどの場合、弁護士に空きがあれば可能な限り当日・土日祝日の対応させていただきます。

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